いい就職コラム

2026.09.24

『いい就職・いい情報』コラム VOL.2~有意の「就活生の採用を目指す業界企業」の皆様へ~

 今年の採用・就活戦線も学生側の「売手市場」が続いています。また、近年は第1志望の企業の内定を得られず、秋口以降に内定の獲得を目指す学生たちや、さらに「第2新卒」や「第3新卒」で捲土重来を期す若者たちにまで、大手企業が触手を伸ばすという「反則ワザ・笑」がまかり通っているためなどもあって、一部の業界企業からは早くも「今年も大学新卒の採用は諦めた」という声が届いたりしていますが、御社の採用活動の現況はいかがでしょうか。

 企業の規模や基本理念、短期・中長期的な経営ビジョンにもよりますが、大卒(特に新卒)および専門学校生、高校生、職業訓練校生を適切に、バランスよく採っていきたいというのが、スタンダードな考え方であることは事実でしょう。

 しかし、弊社が発行する「週刊電業特報」の購読企業の中には、新卒はまったく採らず、一貫した中途採用専門で人員の確保をしているという事例もあります。それはもう20年近くも前からの方針で、採用・就活戦線が「売手市場」であろうと「買手市場」であろうと変わらぬ方針だと聞きます。

 この企業の代表はいわゆる「2代目経営者」とされる立場ですが、初代(父君)の創設した電気設備会社を継承する予定はなく、まったく畑違いの大企業で順調にキャリアを積んでいました。しかし、初代が健康を崩したことから事業継承を懇願され、志半ばで電気設備業界に入ることになりました。

 前述の「人材の採用は中途採用に限る」という方針を現代表が取るようになったのは、ご本人の経験によるものでした。ご本人にはまったく電気設備の仕事にタッチした経験がなかったにもかかわらず、前職のスキルを基盤に努力を重ねた結果、初代の不在の間に落ちかけていた業績を見事に持ち直させた経験から、必要なのは狭い意味でのスキルではなく、社会人経験で培った総合的な「人としてのスキル」であること。電気設備のスキルはそうした基盤の上で修得していけば、むしろ幅の広い、何事にも応用の利く社員を育成することにも繋がる--という手ごたえを得たのです。

 もちろん、新卒採用は日本における企業の人材雇用風土を代表するものであり、決して否定されるものではありません。むしろ尊重されるべきでしょう。しかし、現状がその方針を維持しづらい環境にあるのなら、欧米のほとんどの電気設備会社も基本にしているとされる「採用は新卒に限らず、人としてのキャリアや実力次第」という考え方に、時にはシフトしてみるのもいいのではないでしょうか。

 内定を早く得たいと近視眼的になりがちな就活生から見ても、そうした「売手市場」も「買手市場」も関係なく、ひたすら「良い人材」の採用に特化した企業のあり方や存在そのものが、案外、新鮮に映るのではないかと思います。

 その結果が、大学や専門学校の学生、高校生などに限らず、有意の新卒新人の獲得に繋がらないとも限りません。

 本サイトを閲覧してくれる就活生の皆さんにも、企業規模や世間的知名度、初期待遇の優劣などだけで就職先を探すのでなく、自分が本当に輝ける職場とはどのようなものなのかを、じっくり考えていただきたいものです。