電気工事

◇需給のミスマッチを改善することで、電気工事業界の生産性向上につなげる

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電気工事業界における需給ミスマッチの改善には、新たなシステムが求められる

編集長のイグチです。

本年も宜しくお願いいたします。今回は、需給のミスマッチを改善することで、電気工事業界の労働力不足を緩和するとともに、生産性の向上につなげられる、というお話をしたいと思います。

電気工事会社AにはB社、C社、D社の3つ得意先があるとします。A社の年間完成工事高(完工高)は1億円です。社員を含めた給料などの経費を賄うためには最低限必要な金額です。電気工事業は請負業ですので、同じ規模の電気工事でも得意先が求めるニーズの違いによって得られる利益も異なります。ですから、付加価値の高い仕事もあれば、低い仕事もあるわけで、仮に3年間、毎年の完工高が1億円と同じだったとしても、利益は増えたり、減ったりします。

ある年、B社からの仕事が少なくなったので、不足分を補うためにC社やD社に営業しますが、すぐに受注が増えるものではありません。ましてやC社、D社の得意先が工場だとしますと、毎年のメンテナンス工事は限られています。ゼネコンだとしても、A社が受注するような仕事をたくさん抱えているとは限りません。

日頃から営業活動を積極的に行い、得意先を増やしている電気工事会社は中堅あるいは大手にほぼ限られます。小規模な電気工事会社の場合、営業力が弱いうえに、受注量が増えた際の施工を自らの力で賄うことが難しくなるケースが少なくありません。

そのような時に、施工力を強めるためにしっかりとした電気工事会社を協力業者として向かい入れたいと考えている電気工事会社Eがいたとします。仮に、A社とE社が知り合いで、しかも日頃から仕事のやり取りを行っていれば、両社にとってビジネスチャンスとなりますが、現実はそうではありません。

電気工事市場は、元請、下請、孫請といったように縦型の重層下請構造によって構成されています。このため、横との情報共有が難しく、また情報を共有できたとしても、電気工事という“商品”は目に見えない無形であることから、お互いの技術的な信頼関係が重要な要素となります。

ただ、完全ではないにしろ、相互の信頼関係を何らかの格好で担保できるようになれば、さまざまな電気工事会社が集うネットワークを構築し、仕事に絡んだ多種多様な情報を共有することで、電気工事業界全体の生産性向上につなげられる可能性は高くなります。