経営電気工事

◇人手不足、先行きの不透明感によって、電気工事会社の経営は難しさが増していく

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人手不足と受注確保、建設業における車の両輪ともいえるこの課題の重みは、今後さらに増していくに違いない

編集長のイグチです。今回は、電気工事市場に関するお話をしたいと思います。

電気工事市場といっても皆さんの捉え方は十人十色だと思いますので、ここでの電気工事市場は、建物内などに照明器具やエアコンあるいは設備機器を取り付けるために必要となる電気配線工事の市場を指し、市場エリアは首都圏とします。

先日、都内の電気工事会社を取材した際、「東京五輪が閉会した後の受注環境を他社はどのようにみているのでしょうか」と質問されました。手持ち工事(受注を既に終え、現在抱えている工事)は昨年の同じ時期に比べても多いものの、得意先のゼネコン(総合建設会社)の動きをとらえ、受注競争は激しくなっていると感じているようです。

実際に受注した工事の金額は予想以上に低いことから、ゼネコンの下請として建物の電気工事を担当する電気工事会社の業績に影響が及ぶのは必至とみて、懸念されているわけです。

取材の前日にも、最低価格を提示したゼネコンに受注が決まりかけていたところに、最低価格を1億円下回る金額を示した別のゼネコンに受注が決まった話を別の電気工事会社から聞いているので、ゼネコンの受注競争は想像以上に激しいと思います。

建物の需要は人口と相関関係にあります。日本の人口は少子高齢化によって減少し、地方からの人の流入で人口が増えている首都圏においても、数年後に人口は減ることが予測されています。

大型再開発などによる大型の新設工事はなくならないと思いますが、それ以外の中小規模の新設工事は減少傾向を示すと考えられるので、必然的に、中小のゼネコンを主な得意先としている電気工事会社の業績に影響が出てきます。

一方、少子高齢化で労働力は今後、減少の一途をたどります。国家資格(電気工事を実際に手掛ける人は電気工事士の資格取得を義務づけられています)と経験値を必要とする電気工事において、労働力の確保は絶対的な必要条件です。仕事量が減るなかで、労働力の確保を強いられる電気工事会社の経営は難しさが増していきます。