電気工事

◇電車線工事を終え、初電が通過したときに沸き起こる安堵感と充実感

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電車線工事には不可欠な軌陸車(提供:大雄電設工業)

編集長のイグチです。

鉄道電気工事会社の工事内容は、電車線、電灯・電力、信号の3つに大きく分けることができます。電車線工事は、電車に電気を供給するための電線(電車線)を新設したり、張り替えたりするのが主な仕事となります。電灯・電力工事は、駅構内の照明設備や自動改札機、列車時刻案内板および信号設備などのための電源供給を行うもので、信号工事は信号設備の新設および改良工事を手掛けます。

工事の多くは、乗降客がいない夜間に行われます。特に電車線工事は、電車の運行中は工事ができないため、終電が走り終わって、朝に走り出す初電までのわずか2~3時間で作業を終えなければなりません。

しかも、電車線は線路わきにある電柱と電柱の間に敷設された架空電線のため、張り替え工事は、電車が走行していない時間帯での作業となりますが、電車との接触が100%ないとは言い切れません。このため電車線工事に関しては、触車、感電、墜落の3つのリスクを抱えているといわれます。

このように、建築物の一般屋内配線工事と比べると危険度が高いわけですが、それだけに安全管理が徹底されています。例えば、一般の道路とレールの両方を走ることができる軌陸車を利用して高所作業にあたっているなどは、その好例といえます。また、現場に入る時点で工具類などの全数チェックを行い、作業終了時に同様に全数チェックを行うなどして、レールや線路わきに異物を残さないということに関しては、極めて厳しい管理が行われています。

そうした限られた短時間で、しかも厳しい管理状況のなかで、作業を行うためには、作業の工程管理が非常に重要となり、段取りの最適化が強く求められます。このため、鉄道電気工事現場を管理する優秀な現場代理人(代人)は、現場の状況を熟知したうえで、すべての作業を頭のなかでイメージし、作業がイメージどおりに進むようにさまざまな手配を行ったうえで実行に移します。

自ら描いたイメージどおりに作業が終了し、暗い現場のなかを、初電がライトを点灯させて走行した姿を見たときの安堵感と充実感は、電車線工事でしか味わえない満足感があると言われます。