空調服

建設・電設業界ザッピング  業界ニュースをクローズアップ3

投稿日:2020年9月7日 更新日:

バートルの空調服も若い現場作業員を中心に人気が高い

◇今週は真夏の空調服特集です

先週は建設現場における「夏の暑熱対策」に関する情報をザッピングしました。今週はさらに突っ込んでもはや真夏のメジャー作業着となった空調服に関する情報をザッピングします。

空調服が話題になり始めたのは3~4年ぐらい前からだったでしょうか。筆者も知っているには知っていたものの、恥ずかしながら「空調服」やその周辺の「クール作業着」全般に深い興味を覚えたのは、2017年9月にテレビ朝日で放映された『タモリ倶楽部/クール現場作業服コレクション』で、作業服専門店「東京トラヤ蒲田本店」で販売しているクール作業着のあれこれを見たのがキッカケでした。

あの番組は建設関連業界の関係者にも少なくない話題を呼んだようです。

それまでは建設・電設関連の現場で働く人たちが個人的に購入するケースはあったものの、会社ぐるみで購入するという事例はさほどなかったようですが、あの番組がキッカケで、会社ぐるみで購入するようになったという話を何度か聞いたことがあります。

あの番組では「ファン付き空調服」「アイスベスト(クールベスト)」「ファン付きヘルメット」の定番品の他、瞬時にタオルが凍り付くスプレーなども紹介されていたように思います。

それらを試着・試用したときのタモリさんの実に嬉しそうな笑顔と、「ヒャーッ」という歓声が今も忘れられません。

実際、すでに使用している現場作業員のみなさんは先刻承知のように、一度使うと「もう、それなしにはいられない」ほど気持ちよく作業ができます。

外の現場で汗だくになって働くより、クーラーの効き過ぎた職場で冷え性になってしまうほうがマシと考えていた人が着たら、この快適さは「目からウロコ」でしょう。別の言い方をすれば「エアコンの効いたビルの中で働くより、現場で涼んだほうがむしろ快適」といいたくなるほどの心地よさなのです。

ただ、その快適さも慣れてしまえば、少しずつ色あせるのは仕方ありません。さらには毎年のように過激さを増す猛暑ぶりとの闘いに、クール作業着の性能が追いついていけないのではないかという心配も出てくるかもしれません。

しかし、作業着メーカーのみなさんの努力は凄い!クール作業着は年々進化を遂げ、最近では「ファン付き空調機能」や「ベストに装着するアイス素材」などの性能比べだけじゃなく、それらの機能をより生かすための作業着の布地素材が、まずどんどん進化しています。さらにはデザイン性もますますファッショナブル度を加え、「機能的なモノは美しい」という工業デザインの金言を体現するかのような商品も販売されるようになりました。

その背景には、あの作業着の頑丈さとカジュアル性を高度に兼ね備えた商品を提供し続ける、「現場業界のユニクロ」こと「ワークマンプラス」の登場なども見逃せない追い風になっているようです。

さらに本紙でも何度か特集させていただいたことのある1917(大正6)年創業の作業着メーカー「アイトス」の今夏の空調服ラインナップを公式サイトで見てみると、バッテリーセット込みで1万6000円台~2万円台前半クラスの手ごろな価格と、作業着本来の落ち着きにカジュアル性を加えた雰囲気の、好感度の高いデザインを採用した商品(半袖ジャケット、ベスト、長袖ブルゾンなど)が目立ちます。

アイトスは全日電工連青年部の作業着ファッションショーへの商品提供などでも知られていますが、この分野でもさすがの存在感です。(次号へ続く)