建設現場の夏の暑熱対策

建設・電設業界ザッピング 業界ニュースをクローズアップ2

投稿日:2020年9月1日 更新日:

地上も暑いが現場はもっと暑い。暑熱対策は夏の現場のオキテだ!!

夏の現場作業における暑熱対策の話題あれこれ

先週は業界企業の新型コロナウイルス対策あれこれの情報をザッピングしてみました。今週は建設現場における「夏の暑熱対策」に関する情報をザッピングいたします。

小池都知事が打ち出した「東京アラート」以来、その施策そのものの効果はともかく、「アラート」という言葉が独り歩きしはじめ、さまざまな場面で使われるようになりました。環境省と気象庁が共同で打ち出した「熱中症警戒アラート」という施策もその一つといえるでしょう。

施策というよりも、まだ実証実験の段階ではありますが、この7月1日~10月28日までの約4か月間にわたり、いわゆる1都6県プラス2県(長野県、山梨県)が対象に行われています。その結果をみながら、基本的には来年度から全国で施行する予定なのだそうです。

この時期に突然、このような実験が行われるのは、もちろん従来の暑熱対策の延長戦上というだけではありません。新型コロナウイルス対策の観点が加わってのことです。

なにしろ夏場の猛暑にマスクやフェイスシールドによる暑さが加わるのですから、この夏は従来以上に熱中症対策への気遣いが肝要になります。

そこで1都8県のうちどこか1県(あるいは1都)だけでも気温が33度を超える予報が出たら、即座にアラートを発信。環境省や気象庁の公式サイト上で熱中症予防の情報発信が行われます。建設現場ではその情報を受けて、水分補給を促したり、場合によっては作業中止も視野に入れつつ対処するということになっています。

実際問題として、現場ではついつい、もう少し、もう少しという感じで、少しぐらいの暑熱なら我慢して作業を進めるということになりがちです。しかし、熱中症が怖いのは「気が付いたときにはすでになっている」ということになりがちなこと。

前日や当日の朝にアラートが発信されれば、それが一つのきっかけになって、水分補給の声掛けや休憩時間の取入れなどもしやすくなる可能性はあります。

いずれにせよ、現場での職長や代理人の意識の徹底が重要になりそうです。

水分補給や休憩も大切ですが、夏場の現場作業をより快適に行うには、なんといっても作業着や作業用小物によるクールダウン効果が必要です。

そうした観点からの近年の大ヒット商品は「扇風機付き作業着(空調服)」でしょう。

あれが登場したときはまさに「目からウロコ」の驚きでしたが、現実問題、一度体験すると止められないほどの効果があります。

同様にホカロンのクール版ともいうべき保冷剤を使ったクールダウン効果を図る商品(アイスベストなど)や、作業着のインナーに冷却効果のある素材を使った商品なども大きな人気を獲得しています。

筆者が現場で実際にみて、「あ、これはなかなか、効果的なんじゃないか」と思ったのはアームカバーの着脱でした。

普段は半袖の作業着を着て、むきだしになった手首から二の腕を冷感素材のアームカバーで覆いますが、たとえば日陰に入ったら、それを外すなりおろすなりして、温度調節を行うのです。これはいかにも「クールダウン効果増し増し」といった感じがします。

さらに水分補給をより効果的にするアイテムとしておススメなのが塩分補給用の塩キャンデー。現場に常に常備すれば効果がありそうです。