ヒヤリハット

建設・電設業界ザッピング  業界ニュースをクローズアップ67

投稿日:2021年12月17日 更新日:

大企業ばかりが就活生たちのターゲットではない

◇今週も建設・電設関連の話題をお届けします

完成が待望されている「西九州新幹線」(2022年秋開業予定)計画に合わせ、建設が予定されている新長崎駅ビル(仮称)の安全祈願祭が、12月3日に開催されました。

新幹線の開業とともに、国際観光都市・長崎の新たなランドマークとなることが期待される新長崎駅ビルの竣工予定は2023年秋、ちょうど新幹線開業1周年頃。新長崎駅ビルは鉄骨構造(S造)、地上13F建て、延床面積約10万2000㎡。1F~5Fが商業施設、5F~6Fがオフイス、7F~13Fにはホテル(長崎マリオネットホテル)が入る予定です。

西九州新幹線については、さまざまな紆余曲折がありましたが、2022年秋には無事開通してほしいものです。併せて、新長崎駅ビルが国際観光都市・長崎の新たな名所になることを期待したいですね。

さまざまな角度から安全面の危機を主観的・客観的に検証できる「ヒヤリハット報告書」の作成は、建設現場の生命線ともいうべき安全確保に、今や欠かせないルーティンです。

電気設備工事会社にとっても、それは同様であり、ヒヤリハット報告は建設DXの主軸をなす分野の一つとして、近年はさまざまに便利なシステムが開発されつつあります。

戸田建設が今年11月に開発したアプリケーション「ヒヤリポ」はまさに、ヒヤリハット報告をより一層、効果たらしめる優れた機能を有しています。

建設DXの主流機器であるスマホを活用(スマホにインストール)し、ヒヤリハットの報告やフィードバックなどほリアルタイムに近い形で行うことのできるこのアプリは、建設現場の作業員にとって最も大切な「危険情報の共通認識化」にとって、とても大きな武器になりそうです。

従来は報告書の形で行ってきたヒヤリハットがスマホで自在に検索、フィードバックなどが可能になるヒヤリポは、建設現場の危険予知(KY)に不可欠なポイントを押さえたアプリだといえます。

建設関連の情報メディアとして定評のある建設HRが発表した2021年11月のマンスリーレポートによれば、かつて30%維持用とされた大卒新卒者の「就職後3年以内の離職率」は、徐々に低下しつつあるようです。具体的には2014(平成26)年春卒業生の「30.5%」が3年以内の離職率のピークで、以後、15年春卒業生は28.9%、16年春卒業生は27.8%となり、17年春卒業生が29.5%に上昇したものの、18年春卒業生は28%に低下。これについて建設HRでは、18年春卒業生の就職3年目が新型コロナウイルス禍の2020年なので、離職率の改善に寄与したとの見方をしています。

実際、昨年から今年にかけての就活戦線では、安定志向が近年にないほど増しており、就職活動のターゲットも安定感のある企業・職種に向きつつある傾向がさまざまな機関からも指摘されています。

本誌が毎年4回発行している「週刊電業特報別冊・就活特集号」が実施した、大学、専門学校、職業訓練校の卒業生の動向調査においても、いったん就職したらその職場を全うしたいと考える就活生が近来になく増えている印象です。

一方で「大手企業=安定企業」という学生たちの発想にも多少の揺らぎが出ており、規模が小さくても将来性のある企業・職種への関心が高まっています。電気設備工事業の人材確保には有利な材料といえます。