思いは、電気工事市場の発展。―電業調査会

電業調査会

ZEB 人手不足 労働災害 後継者難

建設・電設業界ザッピング  業界ニュースをクローズアップ16

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スマートビル、スマート住宅の進化は止まらない

◇今週も建設・電設関連の話題をお届けします

今週はまず、この話題から--。

東京商工リサーチのニュースリリースによれば、今年1月から9月までの、いわゆる「人手不足関連の倒産」で後継者難が主因になっているケースは278件あり、これは前年同期比54.8%増でした。

そして278件のうち、1980年代以前の創業は135件で全体の48.5%。2000年代以降が約30%あるというのも、目を引きます。

さらに、1980年代以前に創業された倒産企業135件のうち119件が「代表者の死亡」によるもので、96件は代表者の「体調の問題」とのこと。実に全体の8割近くが代表者の死亡ないし体調不良なのです。

それがそのまま倒産に繋がるということは、まさに後継者がいないことを物語っているわけです。

しかも倒産企業の135件のうち62件は建設関連業種で、2位のサービス業(52件)、3位の卸売業(49件)を大きく上回っています。

建設関連業種の後継者難はいよいよ進捗しつつあるようです。

厚生労働省が10月に発表した「2019年の労働災害発生状況」によれば、2018年に比べると7.0%減、2017年に比べると13.6%減と、かなり低下していることが分かりました。

その傾向は今年に入ってからも顕著なようですが、建設関連業種は相変わらず全体の約3割を占めて、トップの座を譲ってはいません。2019年の建設関連業種の労働災害による死亡者数は269人、次に多い製造業の141人の倍近いのです。

建設業者はご承知のように近年、安全教育に非常に力を入れており、安全の確保は最大の義務という意識も高まりつつあります。

全体の死亡者数が減少気味とはいえ、それでも労災死亡事故において全産業のトップを続けている現状には、やはり辛いものがあります。

それだけ危険に身をさらしながら働かざるを得ない業種であることの証でもあります。しかし、人手不足の最大要因の一つである「危険」のイメージが、これ以上広がることは、業界の未来にかかわる問題でもあるだけに、なんとか避けたいところです。

事故件数は恐らく、下請け業者、孫請け業者以下の協力業者に多いものと思われますが、IoTやAIの活用も含め、そうした「差」をなくすための業界を挙げての努力、安全基準の標準化が、まずは事故件数を減らすために最も留意しなければならないポイントの一つになるのではないでしょうか。

神戸新聞の電子版(神戸新聞NEXT)をネットで閲覧していたら、面白い記事に出遭いました。

兵庫県尼崎市を拠点とする山口電気工事株式会社が、「正味のエネルギー消費量ゼロを目指した新社屋」(ZEB)の建設を発表したとのこと。ZEBとは環境省が推奨する「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」の略称です。

周知のように、従来の省エネだけでなく太陽光発電などの創エネも同時に行うことで、結果的に「エネルギー基準消費量100%以上の削減」が可能になるシステムです。

山口電気工事はこのシステムをフルに生かした新社屋を建設し、近年増え続けている自然災害の影響でライフラインが寸断されるような場合にも、変わらずに業務を遂行できる体制を整えたいとの抱負を、神戸新聞の取材に答えています。

実際、同社は2018年9月の台風21号の際に本社が停電した苦い経験があり、それもあって決断したのだそうです。

地域に根差す電気工事会社の、まさに強い心意気を示すような心なごむニュースですね。