☆第73回電設工業展の結果について
前号の最後にちらりと触れた「第73回電設工業展~JECA FAIR 2025~」(5月28日/水曜~30日/金曜、インテックス大阪)は、予想通り、盛況裡に終了したようです。
初日の入場者数は3万601人、2日目は3万3034人、3日目は3万4593人と、見事にコンスタントなデータが揃い、総計10万人に限りなく近い9万8828人という記録が主催者から発表されています。
これまでのアンケート調査によれば、同展の入場者の多くは「新製品調査」「新技術の動向調査」「業界の傾向調査」に興味があるようです。今回も恐らく同様の傾向が出そろうものと思われますが、働き方改革元年を経ての開催でしたから、そんな視点も交えた「新傾向」が表れるかもしれません。そのあたり、ぜひ知りたいと思っています。
と同時に、次回(東京ビッグサイト)の開催が、今から楽しみです。
☆新技術の展示と採用ブースとの連携が話題
「第73回電設工業展~JECA FAIR 2025~」に関連する、興味深い記事(6月5日付)が「電氣新聞」に掲載されていました。
同展に2009年以降15回目の出展を行った九電工に関するものですが、九電工が事前に発信していたブレスリリースによると、九電工は今回、業界初のアプリ「EIMS(危機管理システム)」の展示や、同社所属の技能五輪選手たちによるデモンストレーション、高所作業用セーフティエアマットの実演など、非常にアクティブな展示が行われたようです。
さらに今回、同社としてはまったく初の試みとなる、来春の採用に関する「会社説明のブース」も設営したのですが、前出「電氣新聞」の記事によると、特に技能五輪選手のデモンストレーションと併せて、会社説明ブース内の展示内容などにも熱のこもった反応をする学生が少なくなかったそうです。
この「新技術の展示と採用情報の組み合わせ」は、今後、さまざまな展示会の一つの流れにもなっていくのではないでしょうか。
☆技能五輪選手のデモンストレーション
九電工が同社所属の技能五輪選手を活用したデモンストレーション活動は、これまでも積極的に行われてきました。
例えば、少し前のニュースになりますが、九電工が今年5月14日付で発信したプレスリリースによると、5月10日、九電工アカデミーで九州・沖縄地方の工業高校の教師や生徒たち(計34校・約100名が参加)を対象とする「第25回高校生ものづくりコンテスト全国大会(電気工事部門)」の課題を、5人の技能五輪の選手たちが実演したそうです。
技能五輪の選手たちが示す手本(作業手順・施工方法)に、教師や生徒たちが実に熱心に見入っていたようですが、先にご紹介した電設工業展での「採用ブース」の設営といい、九電工の採用に関する積極性には素晴らしいものがあります。
半面、九電工のような大手企業群がこぞって、そのような傾向を示すとなると、ただでさえ採用活動で苦戦しがちな中小規模の業界企業にとっては「脅威」の一言ですよね。
本欄としても、感心してばかりはいられません。中小の業界企業にもぜひ頑張っていただきたいものです。