建設業界

組合協会だより

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☆停電時にも使えるエレベーターシステム

ビルメンテナンスの世界でかねてよりの懸案になっていたテーマの一つが、震災などに付随して停電になった際の「エレベーターの継続利用」の方法の確立でした。

エレベーター製造大手・日立ビルシステムズは、7月18日付のニュースリリースにて、その問題の有力な解決法として、電気自動車からの給電でエレベーターの継続利用を可能にした「V2Xシステム」の発表および、7月20日からの販売開始を発信しました。

同リリースによると、「(V2Xシステム)はCHAdeMO V2H対応の電気自動車の急速充電と、電気自動車から電力(直流電力)を取り出し、エレベーターなどのビル設備で使用できる交流電力に変換できるHybrid-PCSと電気自動車を接続」した上で、V2Xシステムを起動すると「電気自動車のバッテリーを電源として速やかに運転を再開することができる」としています。

Hybrid-PCSはまた、「太陽光発電設備や蓄電池と連携できる機能も持っている」とのこと。日立ビルシステムズは今後、同システムを「マンションや老健施設、公共施設を中心に、主に新築時のエレベーター導入に合わせて納入するよう提案」していくとも発信しています。自然災害の多様化、巨大化などとも相まって、停電事故は今後、さまざまな形で発生する可能性が増えていくことが予測されています。

そうした意味合いからも、日立ビルシステムズのこの新システムの提案と販売開始は、停電時のエレベーター継続利用についての、一筋の光明になりそうな気配があります。

 

☆昨年同時期より月給が下がった建設業

8月8日に発表された厚労省の「毎月勤労統計調査/6月分結果速報」によると、建設業に従事する人の月給は、全産業中の最大の下げ幅になったとのこと(2022年同月比でマイナス3.9%/平均56万1499円)。

しかも、全産業の月給は、2022年同月比で2.3%増(平均月給は46万2040円)とのこと。建設業の月給の下げ幅の大きさとともに、全産業中における建設業の月給の高さについても、改めて確認できる結果となった。

ただ、建設業の従事者は勤務時間も長く、その月間総実労働時間171.1時間(2022年同月比で0.2%増)は、全産業中では「鉱業、採石業(月間総実労働時間173.7時間)」に次ぐ長さでした。

建設業の給与の高さは以前から定評がありましたが、昨年に比べると今年は労働時間が長くなっているのに、月給が大きく下がっていることは、例えば就活中の若者たち(その多くは給与の高さより労働時間の短さや、肉体に負担の少ない仕事を選びたがる傾向があります)から見ると、大きなマイナス要因となる可能性があります。そういった意味からも、今回の厚労省の発表データは、気になる傾向を示していると言えます。

 

☆従業員退職型倒産が多い今年の建設業

帝国データバンクの直近の調査によると、今年1月から7月までの倒産事例の中で、企業の幹部や従業員の退職が要因となって倒産した事例がかなり多、特に建設業が多かったようです。この話題については、次号で詳細をお届けします。