女性

組合協会だより

投稿日:2022年6月24日 更新日:

☆電気工事業界の女性活躍度アップ作戦③

先々週号、先週号に引き続き今回も、各地の組合や業界企業が中心になって進めている「女性の活躍盛り上げ」に関する話題を取り上げさせていただきます。

前回の本欄でも触れましたが、建設・土木・電設の3ジャンルを比較した場合、女性の活躍度もまた、建設・土木・電設の順番になるようです。

それはなぜなのか? 最近はだいぶ増えてきたとはいえ、建設や土木に比べて電設にはなぜ女性人材が集まりにくいのか?

そのように考えてもなかなか答えが出るものではありません。

そこで発想を変えて、「女性が電気工事の仕事をしたいと思う理由は、どのような部分にある?」というふうに問いかけてどうなるか。そんなふうに思っているところに、こんなサイト記事に出遭いました。タイトルはズバリ「女性が電気工事の仕事を選ぶ理由」。

静岡県で事業展開している北星電気の求人広告に掲載されていた記事です。

それによれば--。挙げられているポイントは「ものづくりが好き」「安定した需要が見込める」「その道のプロになりたい」。

シンプルですが、なるほどなと思わざるを得ません。

ものづくりが好きな女性は意外に多いものです。いわゆる製造業だけでなく、ものづくりは非常に裾野の広い世界です。

例えば伝統工芸の世界を見ると、近年はご多分にもれず人手不足が嘆かれています。そんな伝統工芸の世界を支えているのは、実は外国人材と女性人材です。 伝統工芸を目指す次世代日本人男性が減ったぶん、ネットで日本の伝統工芸の奥深さを知った外国人材が弟子入りしてきたり、根気のいる仕事に向いた女性などが、少しずつですが、着実に伝統工芸の担い手として育ちつつあるという例をよく聞きます。

電気工事士の仕事は生涯をかけて技術の粋を追求するというような伝統工芸の世界とは違いますが、国家資格を得ることで確実にプロへの道が開かれます。

さまざまな案件の工事を手掛けることで、技術力の絶えざる向上を見込めますし、オール電化の時代、なんといっても電気設備の仕事は需要が途切れませんよね。

電気設備工事会社に転職してくる女性の中には、前職の世界でさまざまな挫折を経験してきた人も少なくありません。男女間のさまざまな差別待遇に絶望して、自分の力をきちんと認めてくれる世界に入りたいという理由で、電気設備工事の業界企業に転職してくる女性人材の例には事欠きません。

彼女たちの存在は逆に、国家資格をもって実施する電気設備工事の仕事には、女性に対する差別待遇が少なく、収入もよく、前回も述べたように、家庭の主婦や高齢者が施主の場合、電気工事は女性に頼みたいという需要は増える一方です。

一人暮らしの世帯や独居高齢者がさらに増えることが予測される現在、電気設備工事業界における女性人材への期待は上昇の一途です。そのことをきちんと若い女性たちに伝えることのできる広報体制が望まれる所以です。