作業着

ワーキングウェア

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☆汎用性よりカスタム重視の作業着の世界

毎週火曜(午後8時55分~)に放送されている『マツコの知らない世界』では、「ガテン系ファッションの世界」というコーナーが不定期的に放映され、話題を呼んでいるのをご存じでしょうか。

現場で作業した後もそのままの格好で帰宅できる作業着、足場を組むとび職の独特なこだわりを感じさせる作業着(進化系ニッカボッカなど)、近年人気の「ファン付き作業着」の世界、現場作業に従事する女の子たちの作業着ファッション、デニムの作業着特集、作業着やヘルメットなどに独自のカスタムをほどこした「カスタム作業着」の世界、昔ながらの腰袋の現代的なカタチ、お洒落で独自の哲学を体現したガテン服はどこに行けば買えるのか……などなど。

本欄が作業着をご紹介する際の「汎用性に重きを置いたセレクト」の基準とはまた違い、「遊び心やカスタム性」などにより多くの焦点を当てたセレクトぶりが目立ちます。

しかし、何よりも、それを身に着けている人のライフスタイル感や現場作業への独自のこだわりなどには、いつも「目からウロコ」の新鮮な驚きがあります。

合理性や機能性、ユニフォームとしての統一性や所属企業への帰属意識など、作業着・ユニフォームを選ぶ際の一般的な基準からはむしろズレてしまうような《遊び心》から生まれてくる、同銀組が推す「ガテン系ファッションの世界観」には、不思議に心地の良いノスタルジーをかきたてられます。

それがどこから湧いてくる感情なのか!?はまだ分かりませんが、本欄でも今後、時にはそうした観点からも作業着(ワーキングウェア)の世界を探ってみたいと思います。

 

☆女性農業者向け作業着を女子高生が考案

「かわいい農作業着で農業やろう」というようなタイトルの記事が、この6月12日に発信されたさまざまなメディアに一斉掲載され、注目を集めています。

女性の農作業従事者数が全国最下位になっている福井県の県農業協同組合中央会が、福井県立坂井高校「生活デザインコース」の専門科目《ファッションデザイン》を受講している女子学生たちにデザインを依頼。

それを受諾した26名の当該生徒たち(2年生)は5月下旬にアイデアを持ち寄り、被服室に集合して、活発な意見交換をしたというニュースです。

女性農業従事者のモチベーション・アップや、新たな従事者を引きつけるようなデザイン、さらには農作業時に動きやすく、汚れにくく、安全性に配慮したデザインという、なかなかハードルの高い条件があるなか、女子生徒たちからは意想外の豊富なアイデアが続出したとか。

生徒たちはその後も週2回のペースで同プロジェクトにまつわる授業を受講しながら、今秋までにはデザインを完成させる予定だとのことです。

頭の柔らかい若者たちのアイデアを作業着に反映する試みは、ここ数年、全国各地で活発化していますが、女性の農作業着にマトを絞った今回のプロジェクトは、日本の農業の持続可能な未来の実現に、あるいは、ひと役買うことになるのかもしれません。ぜひとも期待したいですね!!