☆世界初・暑熱4大リスク緩和作業着とは!?
本欄の前回最後にてご紹介したように、ワークマンは3月25日、世界初の「暑熱4大リスクを緩和する酷暑期対策ウェア」を開発したとのプレスリリースを実施。4月8日にマスメディアやインフルエンサー対象の発表会を開催する旨、告知しました。
今回はその続報をお伝えします。
まず「暑熱4大リスク」とは、何を指すのでしょうか。プレスリリースによると、それは「気温」「湿度」「輻射熱」「風(熱風?)」なのだとか。
なるほど、いわれてみれば、ナルホドというしかありませんが、プレスリリースはさらにこう畳みかけています。「世界初!!着るほうが涼しいXShelterとは」と。
この「世界初!!」には※印がついており、XShelterとは、「暑熱軽減に対応できる機能(気過冷却、透湿度、肌離れ度など)を最多14種類搭載している世界で唯一の素材」なのだそうです。
そして、この「XShelter暑熱軽減ウェア」とは、3月の本欄でご紹介した「ワークマン快適ワーク研究所」と「日本赤十字看護大学付属災害救護研究所」がコラボして実施した、酷暑対策・酷寒対策など、多様な実証実験の数々の研究成果が反映された「世界初のウェア」なのだそうです。
ちなみに「暑熱4大リスク」をさらに分類すると総計14のリスクで構成されており、それは「気温/気化冷却、表面温度、接触霊感」「湿度/透湿度、肌離れ度、速乾性」「輻射熱/遮熱率、紫外線(2種類)、近赤外線」「風/通気機能(2種類)、軽量」なのだといいます。
また、その背景としては、厚労省が「職場の熱中症対策が義務化された改正「労働安全衛生規則」を、この6月から実施するとの動きがあります。
実際問題、近年の夏の酷暑はまさに殺人的であり、その対策をきちんとしない現場はもうやっていけないというのが、労使に共通した考え方になりつつあるのかもしれません。
そこで危惧されるのは、働き方改革にも乗り遅れ気味な中小零細業者の一部は、この暑熱対策への取り組みの状況によっては、廃業せざるを得ないのではないかという問題です。
人手不足のさらなる進捗と共に、この暑熱対策は建設関連現場における「省人化」をさらに推し進める要因になっていくのかもしれません。
それはある意味、仕方のない流れとはいうものの、省力化はともかく、省人化があまり進むのは、労働集約型でずっと推移してきた建設業界にとって、果たして本当に良いことなのかという疑念は、捨て去ることができませんよね。
労働力の不足の解決策が、人間を労働現場から締め出すことでしかないというようなことになったら、マジにターミネーター的未来 社会への危惧を覚えざるをえません。
そんな世の中になったら、暑熱対策の作業着を進化させる意味合いもなくなってしまうのではないでしょうか。
このことはもっともっと、議論されてしかるべきだと思うのですが、意外に業界内では盛り上がっていません。本当にそれでいいのでしょうか。なんだか怖いような気がしないでもありません。